モロッコのカスバ街道にあるオアシス。表の門から裏の門まで薄暗闇の石畳の迷路が続き、一体何世帯の家族がどのような住戸割で暮らしているのかさっぱりわからない。
　所々に絶妙に配置された光の井戸があり、かろうじて通行できる。（もちろん通路に電灯設備はない）裏の門周辺に広場と家畜を飼う囲い、炊事洗濯する小川があった。
　宗教上の理由か、女性は写真に撮られることを極端に嫌い、写真には写っていませんが、実際の薄暗闇の通路には立ち止まって話をしている人や掃除をしている人、小川には洗濯をしている人など生活空間としてもっと活気がありました。

1992年冬